PROJECT STORY 150年の歴史と未来が交差する、巨大都市開発への挑戦

01PROJECT STORY

150年の歴史と未来が交差する、
巨大都市開発への挑戦

国内最大級の再開発で誕生した、
TAKANAWA GATEWAY CITY。
かつて海だった場所で、歴史を継承しながら
新たな都市へと変貌させる壮大なプロジェクトです。
社内最高額の受注規模、空前の人員、
そして歴史的遺構の発見。
この困難に立ち向かった3名の挑戦をご紹介します。

※受注規模は2021年1月時点での空調管部門の実績

TAKANAWA GATEWAY CITY TAKANAWA GATEWAY CITY

MEMBER

橋爪 修彦

橋爪 修彦

空調管技術部 部長(工事所長)

1995年入社

本プロジェクトの現場所長。
社内最高額の現場を統括し、
安全・品質・工程・原価のすべてを担う司令塔。

後藤 真潮

後藤 真潮

空調管技術部

2018年入社

屋上や機械室の施工管理を担当。
巨大な熱源機器の据付や、
複雑な工程の調整を担う若手の中核。

嶋田 賢人

嶋田 賢人

空調管技術部

2021年入社

商学部出身。
広大な基準階フロアの施工管理を担当。
現在はテナント工事の現場を牽引。

最高額※の重み、未知の領域

STORY 01

最高額の重み、未知の領域

2018年、JR品川駅と田町駅の間に位置する広大な車両基地跡地で、空前の事業が動き出した。JR東日本が約6,000億円を投じるこのプロジェクトは、延べ床面積約85万平米におよぶ国内最大級の再開発である。その中で、クラフティアが挑んだのは、地下5階、地上31階建て、約21万平米の複合ビル「第3街区」の空調設備全般だった。「今回の物件は、当社で最高額※の受注金額。なおかつ都内一等地での現場です。不安がなかったわけではないですが、ぜひ自分が携わり成功させたいと思い、所長として立候補しました」と、橋爪は話す。1995年に入社し、数多くの現場を渡り歩いてきたベテランの彼にとっても、この規模は未知の領域だった。しかし、歴史的なプロジェクトに挑戦できる期待感がそれを遥かに上回り、橋爪は自ら最前線に立つことを決意した。

※受注規模は2021年1月時点での空調管部門の実績

一方、若手たちもそれぞれのタイミングでこの巨大な渦に合流する。2018年入社の後藤は、前の現場が一段落した際にかつて共に働いた信頼する先輩から声をかけられたという。「昔からお世話になっている先輩だったので力になりたいと思ったことが理由の一つです。それに加えて、経験したことのないスケールの現場に携わってみたいと思いました」と当時の心境を話す。彼に与えられた役割は、巨大な機械が並ぶ6階、31階、そして屋上の施工管理だった。2021年入社の嶋田は、虎ノ門での現場経験を経て、人手が必要となったこの超大型案件にアサインされた。「東京の中でもずば抜けて大きく、いろいろなものが圧倒的な規模感でした」と嶋田は語る。彼は、7階から30階まで続く広大な事務所エリアの基準階フロアを担当することとなった。
クラフティアが請け負うビルは10~20階建てクラスがボリュームゾーンとなる。その何十倍もの広さと設備量。最新の空調システムをこの巨大な空間に張り巡らせていく。それは、クラフティアの技術力を世に示すための、長きにわたる挑戦となった。

組織の力が「不可能」を「可能」に変える

STORY 02

組織の力が
「不可能」を「可能」に変える

現場が本格的に動き出すと、想像を超える「壁」が次々と立ちはだかった。特に大きなハードルとなったのは、その圧倒的な物量と人の多さだ。工事の進捗に伴い、クラフティアの下請け業者だけで毎日200人以上が現場に入場する日々が約1年も続いた。「通常の現場なら多くても数十人。200人が入場し続ける状況は、施工管理メンバーが5人程度の時は目が回るほどの忙しさでした」と橋爪は振り返る。そこで助けとなったのは、多支店からの応援だった。「現場の負荷を減らすために社内に働きかけると、関西支店や長崎支店の担当者が二つ返事で駆けつけてくれたんです。さらに、書類作成などを支店の事務スタッフに分担する体制を構築しました。とにかく、全社を挙げてこのプロジェクトを成功させるという強い意志を感じることができました」と橋爪は言う。離れていても一つになれる。これは、クラフティアが長い歴史の中で培ってきた確かな強みだ。

後藤もまた、その規模に翻弄されていた。「6階で職人さんに呼ばれ、次は31階へ。物理的な距離が遠く、目が届きにくいもどかしさがありました。これまでの現場では自分が見に行けばすべて把握できたのですが、見に行きたくても物理的に行けない瞬間がある。だからこそ、職人さんと密にコミュニケーションを取ることが不可欠でした」と、対話の重要性を痛感したと後藤は話す。さらに、嶋田の担当エリアでは資材の納期が工期に間に合わないという危機的状況が発生した。「自分の力ではどうしようもなかったので橋爪所長に相談したところ、所長のつながりで別の工場を紹介してもらい、資材の製作場所を変えることで納期を間に合わせることができました」と嶋田は語る。一人で抱え込まず、チームのネットワークを駆使する。これもまた、クラフティアの強みと言えるだろう。

歴史を継承し、未来の街に快適な空気を

STORY 03

歴史を継承し、
未来の街に快適な空気を

そして、現場を揺るがした最大の出来事が起こる。それは、約150年前の鉄道遺構「高輪築堤」の出土だ。明治初期、日本初の鉄道を通すために海上に築かれたこの石垣は、まさに近代日本の幕開けを象徴する遺産だった。新しい街をつくることは、その土地が紡いできた記憶を未来へつなぐことでもある。この歴史的遺構は決してなくしてはならないと、現場は保存することで意見が一致。遺構を傷つけないよう建物の形状自体を設計変更するという異例の事態で、工期は1.5年も延長された。しかし、橋爪たちはこの決断を前向きに捉えていた。正月や盆を4回も現場で共に迎える異例の長丁場となったが、それがチームの絆を深める時間となったからだ。「季節の変わり目を皆で迎えるたびに強固な関係性が築け、同じベクトルで進めたことはよかったです」と橋爪は微笑む。
そして、48ヶ月におよぶ挑戦はついに竣工の時へ。橋爪にとっては、これまでの施工管理技術の集大成となった。「人と人との関わりを大事にすれば、困難であってもできないことはないと改めて感じることができました」と話す。25年以上のキャリアとこの経験を経て、橋爪は今、後進の指導や各現場のマネジメントという次なるキャリアビジョンを抱いている。

若手二人にとっても、この経験は一生の財産となった。「自分が関わった建物が、新幹線からも見えるのは本当に嬉しいですよ。将来的には、このクラスの現場で頭を張れるような所長になりたいと思っています」と、後藤は自分たちが成し遂げたことの大きさを実感しながら、高い志を言葉にする。そして嶋田は、竣工後のテナント工事の責任者として、そのまま現場のタクトを振ることになった。「ここで先輩方から教わった知識や考え方を活かし、現場をうまく引き継いでいきたいです」と語る。
クラフティアが積み上げた大型現場の実績と、そこで磨かれた「人」の成長。高輪の地にそびえ立つビルは、ただの構造物ではない。完成したTAKANAWA GATEWAY CITYは、技術を継承し、次の時代をつくる者たちの情熱の証だ。彼らが築いた快適な空間は、これからこの街を訪れるすべての人々に、快適な空気を送り続ける。